この前暇だったので、墓場を散歩していた時のこと(別に最初から墓場に散歩しに行ったわけでなく、神社とか寺をうろうろしていたら気づいたら墓場にいた)。
ふと見ると足元にカマキリの子供。
私の気配に気づいた途端、死んだフリしてピクリとも動かず。
カマキリと言えば、相手の大きさに関わらず(というかわからないんだろうけど)カマを振りかざして威嚇するというイメージだったんだけど、
まだ小さいとこんなことをするのか、かわいいなあとか、思いながら、歩いていると、また別のカマキリ。
こ、これは…
あれじゃないか。
交尾が終わった後メスがオスを喰らっている。しかもオスからハリガネムシ(寄生虫)出てきてるし。
カマキリは交尾の後、メスがオスを喰うという話は聞いていたけど、実際目にすると結構ショッキングなもので、やはりどうしても咄嗟に「かわいそう」と思ってしまう。
何がかわいそうって、このオス。
私が見た時には真っ二つにされてハラワタを喰い尽くされていたにも関わらず、まだ頭が動いていて、その眼がこっちを見ていた(ような気がした)のだ。
そしてメスのカマキリはあらかた喰い尽くしてどこかへ行ってしまったので、
私は見るに忍びなく、踏んづけてトドメを刺した。
さっきの死んだふりしていた子カマキリがオスかメスかわからないけど、あいつも大人になったらこのような壮絶な運命を辿るのか…。
と、思ったのだが、考えてみれば虫にとって、自分の子孫を残すというのは最大のゴールであるため、ここまで生きて辿り着けたら万々歳か。
とすると、私がオスのカマキリを踏んづけてトドメを刺したのは正しかったのか間違ってたのか、もはやどちらでも良いことだったのか。
たまに虫の生態を調べてると、そんな一生悲惨すぎる…と思ったあとに、
ああ、でもそうか、生まれた時から大きなサークルの中で自分のすべきことが決まってて、生きる限りそれをやり続けるしかなく、自分の子孫、あるいは自分の種の子孫、あるいは地球全体の生態系を保持するという大きな目的のために死んでいくという、崇高な一生なのだなあと気がついて、なんか、羨ましいと思ったりする。
ナベブタアリというアリの一部のアリは頭がマンホール状になっていて、それに産まれたら一生巣のフタらしい。
何があろうとフタ。死ぬまでフタ。子孫を残すこともなく、ただ、フタ。
なんという…と、思うけど、じゃあ、自分は社会の役割の中で、そのフタ以上に役に立っているのだろうか。
私なんかフタに生まれてきたほうがまだ良かったんじゃないか。
人類なんてみんなフタに生まれてきたほうがいいんじゃないかな。
最近、映画観るとき、猫が邪魔で見えない。
これはザ・スピリットという、アホすぎてあんまり売れなかったけど私はすごい好きな映画を見ていた時で、ヒーローのスピリットが猫好きでたくさん猫を飼ってるというシーンなんだけど、手前の一番大きいシルエットはうちの猫。