今回は映画の話。
少し前に、VPNの契約をした。
一応書いておくと、VPN というのはある国にいながら、別の国のサーバーを介してインターネットに繋ぐことができるようにするシステムのことで、日本では見ることができない海外コンテンツもVPNを通せば見ることができるのである(多分そんな感じ)。
中国などネットに関する規制が厳しい国に行った時にVPNを使えば、使用が禁止されているLINEなどを使えるようになるし、あるいはYahooで◯◯◯事件などと検索しても大丈夫なのである(きっと多分。もしかしたらダメかもしれないし、あるいはそれをやると大変なことになるという噂自体がもしかすると都市伝説なのかもしれない)。
それで、私がなぜ中国に行く予定もないのにVPNを契約したのかというと、Netflixの海外版を観たかったからである。
Netflixはよく活用しているのだが、あれはちょいちょいラインナップを変えやがるので、後で見ようなどと悠長なことをしていると、配信期間が終了してしまうことがある。
しかし、Netflixのラインナップというのは国によって微妙に違うため、日本では観れない作品も、どこかの国では観られるかもしれないのだ。
ただし、当然、海外向けのサービスになるので、日本作品以外の映画を観る場合、日本語字幕や日本語吹替えは、ない。
根性で英語字幕を追い、妄想で補い、観終わった後に分からなかったところをググるのだ。
と、いうわけで、一気に観られる作品が広がったような気がしたのだが、これが思っていたよりなかなか使い勝手が悪く、例えば、観たい映画を探す場合、まず、普通に日本のNetflixで探す。
なかったらVPN をアメリカに繋いで、もう一度Netflixにアクセス、検索→ない。
今度はイギリスに繋ぎ直して、という感じで一つ一つ調べていかねばならず、さらに、観ようと思う作品をダウンロードなり、マイリストに入れても、当然、それらを観る際には正しい国で繋がねば観れず、いちいちどの映画がどの国のものだったか覚えていなければならないのだ。
(おまけに、VPNを繋ぐと、ただでさえ遅いうちのネットが更に遅くなる。)
もちろん、そういう人のために、国ごとの閲覧可能作品をまとめたサイトなどもあるのだけど、さっきも書いたように、ラインナップは日々更新されるため、最新の情報を仕入れるのは困難。
と、言う感じで、1万円ちょっと払って15ヶ月契約した割にあんまり使っていない。
最近はインド映画をダウンロードして会社の昼休みに観ている。
まあ、インド映画に1万円は普通に考えたら出さないけど、これは絶対レンタルではないし、楽しみがができたし、いいかと思っていたら、大体の作品はYouTubeで英語字幕付きで公開されていることに最近気づいたので、やっぱり現状ではあんまり意味なかった。VPN。
まあそれは置いといて、本題はインド映画の話なんだけど。
私が学生の頃、一時期BSかなにかでインド映画の特集をやっており、そのずば抜けたセンスと、脱力感と、女優の美しさに、私は虜になった。
当時、大好きだったラニー・ムケルジーとプリーティ・ジンダという女優さんは、今でも美しく、活躍している。
超可愛い。
私はそんなにたくさんの作品を観たわけではないが、インド映画といえば、大体下記のパターンとなる。
しょぼい貧しい男が、お金持ちの美女に恋をする→歌って踊る→嘘をついたり身分を偽って美女に近づく→歌って踊る→恋仲になる→歌って踊る(もうキリがないので以下略)→嘘がばれて破局する→なんか家庭の事情とか家族のことを考えて、美女は全然好きではない金持ちと結婚することにする→が、直前で「やっぱりあの人のことが忘れられない!結婚できないわ」と言い出してめちゃくちゃになる→恥をかかされた相手の婚約者が暴れる、あるいは神のように寛大な心を見せ、許す→いずれにしても最後はみんなで歌って踊る。
このパターンに、たまに変化球として、突然、メインキャラクターが思わぬ事故で死んでしまったりすることもあるが、大体こんな感じ。
しかし、最近、観たラニー・ムケルジーの作品、"No One Killed Jessica "という作品は、これまでの私のインド映画へのイメージを良い意味で覆す作品であった。
実際にあった事件をフィクションを交えながらも、かなり忠実に描いた作品。
その場には300人もの目撃者がいたにも関わらず、犯人が有力者の息子であったため、300人全員が買収され、脅迫され、口をつぐんでしまい、4年にわたる長い裁判の結果、男は無罪放免となってしまう。
この事件にラニー・ムケルジー演じる敏腕ジャーナリストが目をつけ、正義のために戦う、という話。
まず、誰も踊らない。歌わない。劇中歌は頻繁に出てくるが、めちゃくちゃかっこいい。
遺族の悲しみ、デリーという街で起こる理不尽な出来事、そして、人々の正義を信じる心というものがものすごく丁寧に描かれていて、2回か3回ほど涙しそうになった。
もちろん、今まで観たインド映画も今でも好きだけど、インド人、こんなの作れるんだ、すげえ。と私は大変なショックを受けた。
もう、とにかく、みんな、キメツのなんとかより、インド映画観てみ。