ミナミアオカメムシはボスニア・ヘルツェゴビナの夢を見るか?

ボスニア・ヘルツェゴビナには、「カメムシを家の中で見つけると、その家はまもなく金運を授かる」という言い伝えがあるそうです。

イエバエとユメ十夜

 近所を散歩していた時にガードレールに止まっていたイエバエ。

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この複眼で見る世界は一体どんなふうなんだろう。

 

 

ちょっと昔、というかもう15年以上前に「乱歩地獄」という、江戸川乱歩作品をオムニバス形式で映像化した映画があったのだが、

その中の確か「芋虫」という作品で「虫の目になって、虫の感覚で生きる」みたいなそんな感じのセリフがあって、その映画は、唯一そこだけ良かった。

 

 

もう1回この映画を観る気はないので、うろ覚えなんだけど。

 

 

乱歩にどハマりしていた頃に観たのだが、なんだか乱歩の作品のエログロ(特にエロ)だけが妙にクローズアップされていて、いや、わかるけど、なんか違うだろ、という感じで対して良くなかったのだ。

というか、江戸川乱歩って映像化されるとことごとく18禁的な作品にされる気がするけど、乱歩ってそんなにエロ要素あったかな。

どっちかというと人間の隠れた悪意とか殺意とか罪悪感とかそういう話な気がしたんだけど。

もしかして明智小五郎がエロいのか?

推理ものより純文学っぽい乱歩が好きなので、明智が出てくると割と斜め読みしていたので覚えていないのか。

 

それとも、私のレベルが低すぎて崇高なエロスというものを読み取ることができないのか。

 

いや、そういうことだったら映像化する時も18禁になったらいかんだろう。

 

そんな感じで私はあんまりピンとこなかったので、この映画は好きじゃなかったなーと思ったにも関わらず、

その数年後、夏目漱石夢十夜を映画化した「ユメ十夜」という映画がテレビであっていてそれが面白そうだったので、ちゃんと観ようと思って、TSUTAYAだったかゲオだったかに行ったところ、「ユメ十夜」と間違えてなぜか「乱歩地獄」をまた借りてしまったので、仕方なく、もう一回観たのである。

 

やっぱりイマイチ良くないけど、虫の目で生きるっつーのは良いなあ、と、また思った。

 

そして、「ユメ十夜」、結局未だにちゃんと観てないじゃん。

 

と、いうことをこの前思い出して、Huluを探したところ、あったので、ついに、観たいと思ってから10年くらい経って、ようやく漱石のほうを最近観た。

 

これは元々原作が夏目漱石の見た夢を10話にまとめた話なので、基本的にわけがわからなく、でも、何かしら人間の根底にある恐怖とかそういうものを描いたかと思えば本当にオチもない馬鹿馬鹿しい話で、

一体何が言いたいんだ!といくら言っても、「こんな夢を見た」と言われてしまえば仕方ないのである。

 

肝心の原作の方をあんまり覚えてないので、また読み直さなくちゃならないと思うんだけど、

なんか、若い母親が戦争に行った旦那の無事を願って御百度参りをする話は、娼婦とかサスペンスっぽい件は入れないでほしかった。

多分、そんなものはなかったと思う。原作には。

 

全体的に「夢十夜」に着想を得て妄想して飛躍させた「ユメ十夜」というところで、もうものによっては全然違う話になってるし、

色々とレビューを見てると、原作ファンの中でも好む話と好まない話がそれぞれ分かれているのが面白いところ。

 

私は断然、阿部サダオの「運慶が仁王を掘る夢」が推しだけど。

 

そういうわけで、なんだかハエの複眼で「乱歩地獄」のことを思い出し、ついに10年越しに「ユメ十夜」のことを思い出せて、ようやく観れたんだけど、強烈な話以外、半年後には全部忘れてる気がする。

そんなところも「夢」の性質をなぞらえているのか。

 

とりあえず阿部サダオのとこだけもう一回観よう。

 

※なんか今日の日記というか、今日だけじゃなくてたまに文字のサイズがバラバラになってて、戻し方がよくわからない。

他の人のブログでもたまになってるの見るから(明らかに意図してない感じで)、全部はてなブログのせいかと。