ミナミアオカメムシはボスニア・ヘルツェゴビナの夢を見るか?

ボスニア・ヘルツェゴビナには、「カメムシを家の中で見つけると、その家はまもなく金運を授かる」という言い伝えがあるそうです。

2016年冬に採集したミナミアオカメムシの最期

さて、やっとミナミアオカメムシ(冬に採集編)の続きに戻る。

2016の年末頃に行き倒れになっていた6匹のカメムシだが、秋頃収穫し冷凍しておいた大豆と、Amazonでお取り寄せした無農薬落花生のおかげで、なんと3月になっても生きていた。

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高い所が好きなので、アクエリアスを染み込ませた脱脂綿を棒に引っ掛けたら、喜んで飲んでいるところ。

これは…もしや、春、暖かくなるまで生き延びたら外に返せるのでは?

そんな淡い期待を抱いていた、あの頃。

 

 

 

 

 

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一方、410円にされて凹むうちの猫。

(唐突だけど、この頃のことを思い出そうとフォトフォルダを漁っていたら出てきたので仕方がない)

 

カメムシの話に戻るが、しかし、淡い期待も虚しく、やはり、さすがに4月ごろになるとカメムシが弱り始めた。

確か、この年、随分後まで寒かったような気がする。

そうしてためらっているうちにどんどんカメムシがヨボヨボになっていき、たちまちのうちにケージは養老院と化した。

この状態で放しても…と思いつつ、しかし、そうはいってもなかなか死なず、こんなことなら、もう少し前に放してやっておけば、例え1日で死んだとしてもカメムシにとっては良かったのでは?と思い始めた5月。

カメムシの脚がもげ始めた。

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元々自然界であれば、せいぜい脚が2本もげた時点で、もう自然淘汰されて天に召されるものなのだが、私のカメムシ達は異常に栄養状態が良くなっている上に天敵がいないため、脚が3本になっても、2本になっても、動けなくなってもまだ生きていた。

それで私は、毎日仕事から帰ると、寝たきりのカメムシに脱脂綿で栄養補給をさせていたのだ。

前にも書いたと思うけれど。

虫にこういうことをするのは、多分だけど、意味がない。

やはり自然のまま死なせてやるか、そもそも行き倒れになっている所を助けるべきではなかったのである。

せめて、少し暖かくなった時点で放しておけば良かったのだ。

例え1日で死んだとしてもそれはそれで良かったのだと感じる。

 

結局、それから少し経って全員死んだのだったと思うが、その頃さすがに可哀想であまり写真を撮らなかったのか、単にバックアップを取り損ねたのか、画像が残っていないので、記憶も曖昧なのだが、

空虚な灰色の目で一日中天井を見続ける脚のないカメムシだけはハッキリと脳裏に焼き付いている。

 

 

なーんだ、それがカメムシ地獄か!と、思うだろうが、この先、さらなるカメムシ地獄が待ち受けていることを、あの頃の僕らは、まだ知らなかったんだ。

 

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「安心しなさい。あの者たちはみんなカメムシ天国へ行きました。」

 

ところで、全然話変わるけど、こういうチョコレートって。

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うまいからってドンドン食べるといきなり気持ち悪くなるよね。

私は学生の時、一人で教室でうまいうまいうまいとひたすら食べてたら、いきなり「うっ」となって、口の中にあるものすら飲み込めないほど気持ち悪くなり、ゴミ箱に吐き出したことがあるのだ。

いや、なんでも食べ過ぎたら気持ち悪くなるのだが、

普通は

 

「おいしい→もうちょっと食べたい→気持ち悪い→げええ」

という風に境界線に少しゆとりがあるものなのである。

いかに、もうちょっと食べたい→気持ち悪くなる前のちょうどいいところで止められるか、という所がポイントなのだ。

冷静と情熱のあいだ。もうちょっと食べたいと気持ち悪いのあいだ。

 

数年前、「ファミチキという恐ろしく美味しい食べ物を、腹一杯食べてみたい」という欲望に駆られ、大人なのでこれを実行した。

本当は5個くらい買おうかと思ったのだが、いや、待てよ…と思い、とりあえず3個買って、まだ食べたかったらもう一回買いに行くことにした。

すると…一つ食べた時点では、もちろん「もうちょっと食べたい」と思ったので、当然のことながら2個目を食べ始めたのだが。

なんと。1個半で既にもうあんまり食べたくなくなっており、3個目を食べる頃には「もうファミチキなんてしばらく見たくもねえ」と思った。

つまり、ファミチキ1個というのは、「もうちょっと食べたいと気持ち悪いのあいだ」という恐ろしく計算され尽くした食べ物だったのである(個人差とか体調とか空腹具合は一体どこへ…)。

 

と、いうふうに、人間は調子に乗ってこの境界を越えがちではあるものの、まあ、一応、その気になれば見極めができるものなのだ。通常は。

 

しかし、こういう高濃度のチョコの場合

 

「うまいうまいうまいう…→げええええええ」

 

という風に、まったくあいだがなく、通常では考えられないほど唐突に全身が拒否反応を示すので、是っ非、気をつけたほうがいいよ、

という非常に有益な情報を、学生の時に一番仲の良かった友達に教えると、その友達も既にまったく同じことになって、この前吐いたと言っていて、お互いに「こいつアホだな」と思った、という話を。

思い出しながら、この前久しぶりにこのチョコを食べていたが、既に理性が邪魔をして昔のようには大量に食べれず、あの頃のような無鉄砲さがなくなった自分を悲しく思い…

いや、良いのだ。今、チョコを食べ過ぎて病院に運ばれました、なんてことになったら、ただでさえ混乱する医療現場に大変な迷惑をかける。

大人になったのだ、我々は。

( ちなみに、美味しくて食べ過ぎるのはカカオ86%までで、

95%になると、もう炭か消しゴムを食べているようだ。あれは薬だ。)

 

 

さて、そんなこんなで、次回!みんなが興味津々、ミナミアオカメムシの交尾について!

(※内容は予告なく変更となる場合があります。まだ写真がGoogleフォトに残っているか確認していないためです。)