ミナミアオカメムシはボスニア・ヘルツェゴビナの夢を見るか?

ボスニア・ヘルツェゴビナには、「カメムシを家の中で見つけると、その家はまもなく金運を授かる」という言い伝えがあるそうです。

私がアニメを観ない理由

多くの人を敵に回す覚悟で、今回アニメの話を書こうと思う。

なぜ敵に回すかというと、タイトルにもあるように、私はアニメを一切観ないことにしているというか、はっきり言って無理だからだ。

 

「こいつ、アニメってだけでくだらないと決めつけて、人生損してるな。」

 

と、思うだろう。できるなら私も人生損したくないので、アニメを観たい。

 

私がアニメを観れなくなってしまったのには理由があって、それは学生時代、15年以上遡る。

 

当時、私は、役者を目指しており、とある学校に通っていた。

その学校は、大きく分けて「俳優コース」「声優コース」「ダンスコース」「ミュージシャンコース」に分かれており、私は1学年に10人ほどしかいない「俳優コース」の学生だったのだ。

この学校に入学するまで、私は、特にアニメに対して偏見とかなかったし、そのうち自分もハマってみたいくらいには思っていた。

が、この学校に通い始めて、どうも「声優コース」の人たちの様子がおかしいことに、かなり最初の段階で気がついた。

 

まず、誤解がないように書いておくと、一部の人たちはまともだったというか、なんなら学業とアルバイトを両立させながら大変な努力をしている人もいた。

1割くらい。今でも連絡を取ってる人もいる。

 

と、これは「声優コース全員のことを言ってるわけではないんだよ」、と前置きをした上で、15年来の恨みを全部書く。

 

まず、皆さんもご存知かと思うが、声優というのは、並々ならぬ努力をしてほんの一握りの人間がなれる職業であり、それは枠の少なさと、技術に対するごまかしの効かなさからすると、俳優よりもさらに狭き門である。

にも関わらず、「声だけなら私もできるかも」という安直な考えで「声優コース」を選ぶ人が非常に多く、さっきも言ったように、私の学年にいた40人の声優コースの9割がこのような人たちであった。

実際、現代の声優は声だけじゃなくて見た目も当然重視されるし、

表現の幅に動きや表情などを使うことができる俳優に対して、声だけという限られた範囲でそれを行わなければならない声優は本来よっぽど難易度が高いにも関わらず、である。

 

まあ、安直な考え、ただ好きというだけでやってみるということに関しては、まったく問題ないというか、寧ろ、どんどんやったほうがいいと思うのだが、問題は彼らが超絶的な個性を持っていることである。

 

以下、私が耐えがたかった学生時代の出来事。

 

若い女性なのに、外見がおっさんのような人がたまにいる、髭が生えている人もいる。そういう学校なので見た目には気をつけるように採算言われているにも関わらず。

 

 ・なんか、すぐに集団内で謎の家族構成を作りたがる。仲のいい人同士でやってる分には別にいいが、勝手に人を巻き込む。勝手に人を「姐さん」などと呼ぶ。

 

・ちょっと短いスカート を履いていると「ハアハアしちゃう」などという気持ちの悪い感想でコミニュケーションを取ってこようとする。しかも1対1だと怖いのか絶対話しかけてこない。集団(彼ら風に言うと家族)の時のみ、私に話しかけてくる。

 

 

・声優コースが授業に使った後の教室が異常に臭い。

ダンスコースのほうがよほど汗をかいているにも関わらず、声優コースが使った後の教室は、耐えられないほどに臭い。私も、最初は人に対して臭いとか言ったらいけないよねと思っていたが、あまりの嫌悪感に、そのうち声優コースがまだ教室にいるのに、消臭スプレーを振り撒くようになった。しかし、鈍さゆえにそんなあからさまな行為をしても何も気づかない。

ずっと声優コースを見てる先生曰く、彼らの中には一定の割合で、アニメやゲームに夢中で風呂に入るのを忘れる、という人が必ず毎年いるらしい。そういう人たちは実家にいる時は両親に尻を叩かれて入っていたものの、寮などから通うようになった学生は、誰も声をかけてくれる人がいないので、永遠に風呂に入らないらしい。

 

・1人だと話しかけても聞こえるか聞こえないかくらいの声でしか返事をしないくせに、集団になると異常にうるさい。

 

 ・下ネタやネットスラングをリアルな世界で多用する。5ちゃんねる(当時は2ちゃんねる)を見ない人には意味不明だが、私には痛すぎて聞いてられない。

 

 

 

それでもまだ中には「オタクをバカにすんな!」「そんなん個性じゃん!」と、憤る人がいるかもしれない。

 

うん、そうかもしれん。

 

私も世の中にそういう人がいてもいいと思ってるし、なんなら自分だってたまにコミュ障じゃないかと思うこともあるし、ズレていることを言ってることも多々あると思う。

 

ただ、ここは学校だ。

そういうやつらと、木刀でボカボカ殴る厳しい殺陣の先生に挟まれて課題をこなさねばならんのだよ。

 

その課題というのが、ミュージカルやら、日本風の舞台やらだったのだが、まず、声優コースの中の9割のダメ軍団の中のさらに1割くらいが、木刀を持った鬼のような先生を見て、学校に来なくなる。

 

これはまだいい。ハナから来ないのならこちらも気にする必要がないので。

 

そして残った人達は多少逃げた人よりは根性はあるのだが、いうても「木刀を持っている鬼のような先生を見ても逃げなかった(1人じゃないから)」というだけで、やる気のないオタクであることには変わりない故、当然、舞台で大した役を与えられないので、稽古がつまらなくなり、学校、あるいは稽古場に来なくなる。

 

これもまだいい。大した役でなければ補填できるので。

 

さらに残ったやつの中で、なんかちょっと妙にキャラが際立ったやつが、面白がられて結構重要な役につけられるが、重要な役ゆえに先生の熱が入り、木刀で殴られるために嫌になって学校、あるいは稽古に来なくなる。

というかそもそもが、ちょっとキャラが濃いというだけで、本来そんな役をこなす力量は持っていないので、これもまあ、適宜、代わりを出来る人がいるのでどうにかなる。

 

問題は、あいつら、本番直前になって集団ボイコットをするのだ。

 

それもかなりの確率で。

 

これで私達は1日で脚本を書き直し、複数の役を一つに合体させるなどし、急遽女性が男役を演じるなどし、モノゴトって、なんとか間に合うようにできているもんなんだなあということを実感する日もあれば、

結局、声優コースの数が40人くらいいるため、大体の場合、その課題に参加する人間の半分以上がバケモノということになってしまうので、絶対に向こうのほうがおかしいと思っていても涙を飲んでバケモノに謝り、どうか戻ってくれと頼んだりするなど、昔話の虐げられた村人になったような気がした日もあった。

 

The Show Must Go On なんだよ。そのためならどんなにこんちくしょ★!∈◯∃∂⁂◆〜%

と思っても、土下座でもなんでもしないといけないんだよ。

 

ある時は、「もう我々は裏方に徹します」などというので、裏方って表方より相当大変なんだぞ、と思いつつ任せて見たところ、BGMに誰が聞いてもわかるアニソンを挿入しようとしたり、いろいろあって、さらに経費がおかしなことになっているので調べたところ、衣装に使う布を買いに行った交通費が非常に高額であったため、なぜそんな遠くに行ったのかと聞けば「そこが1番品揃えがいいのだ」という(調べたところ、コスプレイヤー御用達ショップであったことはもはや言うまでもなく)。

とはいえ、自転車で行けないこともない距離なのだから、もうちょっと経費というものを考えてくれと言うと、太りすぎて自転車に乗れないと言うのだ。

 

…確かに、私はあの人以上に太っている人を、多分、後にも先にもリアルでは見たことがない。

 

と、まだまだ書きたいことはあるものの、字数が過去最大になっているので、これくらいで。

 

そういうわけで、私は、アニメは素晴らしいもの、深いものだということを頭ではわかっているものの、どうしても、あの絵面というか、あといかにもという感じのアニ声を聞くと、「自分の好きな世界を目指した挙句、自分のやりたいことしかやらず、ちょっと嫌なことがあると全て人のせいにし、一度自分が受けた役を簡単に投げ出し、散々人に迷惑をかけた挙句、被害者ヅラをするバケモノたち」のことを思い出してしまうので、もうなんか生理的にどうしても無理、というお話でした。

 

彼らは自分が、自分の好きな世界、尊敬する声優さんを冒瀆する行為をしているということに気づいていないのだろうか。

 

そんなバケモノ達が、今どうしているか知りません。

 

ただ、あの学校に通っていた「バケモノではなかった人」たちも、私を含め、ほとんどの人は芝居をやめており、歴代の卒業生の中でも有名人は1人も出ていない。

かろうじて、どうにか業界で食べていけてる、という人が、私の知る限り数人程度。

 

そもそも、演劇がやりたいなら、学校などに行ってはいけない、と、みんな口を揃えて言っている。

 

アルバイトしながら、劇団員をやって、オーディションを受けまくる。これに尽きるかと。

後は、有名になりたいわけでなく、ただ芝居を続けたいだけなら、アマチュア劇団をやりつつ、何かしらの資格職を取得すると良いかと。

結局、アルバイトより、しっかりした職を持ってる人が長く続けられる。

 

劇団員にも生き残ったバケモノはたまにいるが、嫌なら別の劇団に移ればいいし、数が大したことないので淘汰できると思う。

 

あの時、バケモノと戦ったみんな、今どうしてるかわかんない人たちもいるけど、みんなきっと違うフィールドにいても違う種類のバケモノと戦ってんのかな!

俺たちはどこにいたっていつも一緒さ!!

 

と、打ち切り漫画の投げやりエンディング風に締めてみる。

 

一応言っとくと、本当は別にそんなこと思ってない。成り行きで同じ学年ニナッタダケダヨネー