フクラスズメという蛾の幼虫
今日の虫は割と多くの人が気持ち悪いと思うかも知れない。
虫を「気持ち悪い」「怖い」と思う感覚は、ある種、人間の防衛本能からくるものであるので、否定はしない。
ただ、虫や動物というのは、人間と違って、ただ生きるために生きているだけだ。
人間のように、他人を陥れたいとか、自分が優位に立ちたいとか、そんな事は考えていない。
いや、正確に言えば、動物や虫の中でも知能の高いものは、多少はそのような欲望を持つのかもしれないが、それだって本能からくるものであって、悪質とまでは言い切れないものであると思う。
だから、虫を嫌い、気持ち悪い、という感覚は、決して否定しないけど、たまに、少しだけで良いからそのことについて考えてほしいな、と思うのだ。
更に言うなら人間だって、信じがたい嫌なやつでも、やはりその人も生きるためにそのようになってしまったのかも知れない。そんなことを、たまには考えてみる寛容さも必要だ。
と、いうところで、この毛虫。フクラスズメという蛾の幼虫。
あ、毛虫がいる。と思いカメラを向けた所、いきなり強烈な敵意を向けられた。
↑体を激しく振って
↑きぇええええええ!!!!という感じ
「何こいつ。キモ」と思った。
なるほど、さっき偉そうなことを書いてしまったが、虫が嫌いな人の気持ちが少し分かった気がした。
人間、よくわからないものによくわからない行動を取られると恐怖を感じるものなのだ。
帰宅後、この毛虫のことを調べると、トゲトゲしい見た目と態度とは裏腹に毒はないということがわかった。
さらに、私が目撃した行動は、「威嚇行動」とも「死んだフリ」とも言われていて、いずれも敵から身を守るための行動だということもはっきりした。
なるほど。人間のような巨大なものに対して、そのような大胆な行動を取る割に、毒はなく、それ以上攻撃する術も持たぬわけか。
…かわいい。
はい、フクラスズメへの恐怖克服。
人間が何かを恐れたり、嫌悪感を抱くのは、理解できない行動、あるいは、予測不能の動きが原因となることが多いという。
特に虫に対する恐怖はその場合が多いと思う。
よく知れば怖くなくなる。
(あるいは更に嫌いになる場合もあるが、これは虫に限った話ではない。)
そして翌週、早朝から公園にいるフクラスズメを片っ端から臨戦態勢に入らせてみた。
一旦、「きえええええええ!!!!」となってしまったら、激しく揺れた後静止してしまい、1分くらいは元に戻らない。
いるよね、こういう人。
ちょっと触ると、「きいいいいいいええええええええええ!!!!!!」ってなって、しばらくめんどくさい人。
ご自分ではどうしようもない習性と防衛本能でそうなってしまっていると思えば、ほら、きっと今度から暖かく見守ることができるはず(なわけないけど)。
すごく勘がいいので、近づいてカメラを向けた時点ですでに臨戦態勢にはいっていることも。
私は気づかなかったが、調べたところによると、激しく頭を振った後、緑色の液体を吐くらしい。
食欲も旺盛のようで、葉っぱがレース状になっていた。
私は植物には全く明るくないので自信がないが、調べた所によると、この種の毛虫が好む食草は主に「カラムシ」「イラクサ」「ヤブマオ」で、恐らくこれは「カラムシ」である。
余談だが、「イラクサ」には毒があり、「カラムシ」と「ヤブマオ」は繊維から糸やロープが作れるらしい(ちょっと大変そうだし、この草を勝手に取って良いものかわからないし、何より虫食いだらけなのでやらないけど)。
この時のことを動画にまとめたもの↓
※結構いきなり大きい音楽が流れるので気をつけてください。