ミナミアオカメムシはボスニア・ヘルツェゴビナの夢を見るか?

ボスニア・ヘルツェゴビナには、「カメムシを家の中で見つけると、その家はまもなく金運を授かる」という言い伝えがあるそうです。

ミナミアオカメムシ その1

2016年秋に卵から育てたミナミアオカメムシの記録。

 

10月11日

キュウリの葉っぱの上で卵を発見。撮影時は気がつかなかったが、隣にいるのは「カメムシタマゴトビコバチ」という寄生蜂だと思われる(詳しくは後述)。

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ミナミアオカメムシの卵

濡らした脱脂綿をシャーレに入れてその上に卵付きの葉っぱを置き、適度に湿気を保ちながら、適温(27度くらいだったかな?)で放置。この間は、私はあまり興味がなく、別の人がお世話をしていたので、正直よくわからない。この人については、虫飼育の師匠(というか、実際にプロ)とだけ述べておく。

8日後、卵が孵っていた。

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93個くらいの卵に対して、実際生まれてきたのは23匹。これは先に述べた寄生蜂が原因だったのかもしれない。

が、元々のキュウリの葉っぱがカビだらけになっているのも要因の一つとして気になるところ(右のフレッシュなやつはこの時入れた)。後から考えると、葉っぱから卵だけ引き剥がして孵化させた方が良かったのではと思うが、まあ、師匠に任せっぱなしだった私が文句は言えない。

生まれたばかりのカメムシ達は、まだ卵の上にポジションを取っているほうが安心らしく、ちょっと刺激を与えると、わらわらと散っていくが、しばらくするとまたみんな定位置に戻ってしまう。

1匹がほんの僅かでも脚を動かすとそれに呼応して隣のやつが動き出し、ムーブメントがどんどん伝染していくのが面白いなーと思いながら見ていると、突然、ふっと全員が静止してしまう瞬間もあって、もしや、この部屋を出たらカメムシだけでなく自分以外の全ての物が静止していたらどうしようかと思うような怖さも感じた。

 

卵が孵ってから4日目

キュウリの葉っぱが枯れたので、稲を入れたポットに移し替える。尚、この稲は完全無農薬である。

黄色い個体は脱皮をした直後の個体(この後しばらくすると黒に戻る)。ウッドストックみたいでかわいい。この辺り、割と大きさに個体差が出てきている。

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卵が孵ってから8日目

脱皮を繰り返し、黒かった腹が赤く変化。

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ここまでに結構たくさん死んでしまい、卵93個→生まれてきたやつ23匹→この段階で生き残ってるやつ6匹、と大幅に減ってしまった。

後に何度か育てた経験から言うと、この減り幅は異常。卵によって初めから強い軍団が生まれてくる場合と弱い軍団が生まれてくる場合とあるのでは、と思う。

だって飼育状況で言うならこの時は職場のラボで育てて、環境的には最高のはずだったのに、後に自宅で適当に育てたやつのほうがたくさん生き残ったのは解せぬ。

その時は、思った以上にたくさん生き残り過ぎて大変なことになり、目をつぶるとカメムシが見え、悪夢にうなされる日々が続いたこともあったりしたのだが、まあ、その話はまた別の機会に。

 

卵が孵ってから10日目

更に脱皮を繰り返し、腹部の色がますます赤く変化。

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※全編に渡ってちょいちょい私の指が写り込んでいるのは大きさを比較するためです。

その2に続きます。