ミナミアオカメムシはボスニア・ヘルツェゴビナの夢を見るか?

ボスニア・ヘルツェゴビナには、「カメムシを家の中で見つけると、その家はまもなく金運を授かる」という言い伝えがあるそうです。

2017年ミナミアオカメムシの最期

2017年、ミナミアオカメムシ(多分)の卵が予想に反して大量に孵ってしまい、あらあらどうしようと言ってる間にどんどんでかくなる話の続き。

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確か、Amazonでお取り寄せしてふやかした大豆を食べている。左側の写真に写っている透明っぽい物体は卵の殻である(もちろん後に脱皮殻と一緒にレジンで固めてモニュメントにした)。

 

ちなみに、右の緑の草は正式名称は知らないが、猫を飼ってる人なら誰もが知ってる猫草。

何か無農薬であげられるものはないか、と、探していたら、うってつけの無農薬イネ科植物がうちにはあったのである。

我々は、まだこの頃、それでも、自然淘汰されて減るでしょ、と思っていた。

 

しかし、

 

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しかし、減らなかったのである。この頃、夜寝る時に目を瞑ると瞼の裏にカメムシが浮かぶようになっていた。

 

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元気に脱皮している。

 

そして。ついに約40匹全員が成虫になってしまったのだった。

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写真がないので一部しかお見せできないのですが、この状態が虫かごの蓋をぐるりと覆っている図をご想像ください。

 

と、ここまで書いておいてあれなんだけど、Googleドライブにこの後の写真が残っていなく、いきなり私が横浜のアンパンマンミュージアムでバイキンUFOに載っている写真が現れるので、バックアップになんらかのトラブルがあったものと思われる。

 

確か横浜の夜景をみようと思って行ったところ意外に時間が余ってしまい、他に時間を潰すところがどうにも思い当たらず、アンパンマンミュージアムに行ったのだ。

まあ、でもせっかくなので写真でも撮ろうか、ということになったものの、子供が並んでいる場所に大人の自分たちが並ぶのは非常に恥ずかしいということに気付き、見るとバイキンUFOが子供たちに大変不人気であったためそこで写真を撮ったのである。

 

ところで、今思い出したんだけど、このアンパンマンミュージアムで私は大変なものを見つけてしまった。

 

アンパンマンというものは、初期の頃、各キャラクターがブレブレだったり、驚異的な自己犠牲精神によりちょっとドン引きしてしまうような展開がある、というのは今までテレビなどでも紹介されたので知っている人も多いかもしれない。

アンパンマンの前身がちょっと飛べるだけの変わったおっさんで、戦時中の国の子供達に善意でパンを配っていたところ、敵のミサイルと間違われ狙撃されて死亡した、という話など、調べれば調べるほど、ギョッとするような事実があり、

アンパンマンミュージアムなどの書籍コーナーに行くと結構この手の昔のアンパンマンを知ることができるものが置いてある。

その中でも、やなせたかしが昔書いたアンパンマンの小説というのがあり、ちょっと詳細は忘れてしまったのだが、立ち読みしたら、これがもう、安部公房か?というような不気味で奇天烈な雰囲気が漂っており、

夢か?これは夢か?と何度も疑ったのだが、どう考えても現実で、

ならば、これを買ってやろうと値段を見ると、なんと確か3万円以上したのだ(現在全集のようなものにしか収録されていないため、それを買うしかない)。

いくら「安倍公房風味の大人なアンパンマン」という魅力的な作品であっても、アンパンマンに3万円以上出す(しかもその小説はごく一部で大半はいらないページ)というのは、今でも無理だが当時の派遣の給料では更に考えられなかったので、泣く泣く1500円だったかそれくらいの初期のマンガだけ買って夜景を見に行ったのだ。

 

と、今、思い出して、調べたのだが、詳細を忘れてしまったため、もうなんだったかよくわからなくなってしまった。

 

え?あれ?夢?

 

いや、確か、当時調べたら、いちごえほんという雑誌に掲載されたらしく、何十年前のいちごえほんの古雑誌を探し出して買うか、比較的新しい3万円越えの全集を買うしかない、というところまでわかったのは覚えてるからさすがに夢じゃないと思うんだ。

どっちにしても、アンパンマンに出せる金額では、いくらなんでも、ない。

 

まあ、それはいいとして。カメムシ

 

この後…この成虫になった彼らをどうすんねん、と言っているうちに、50時間に及ぶ交尾があちらで、こちらで始まり、あちらで、こちらで、卵が生まれ、多頭飼育崩壊、というのはこういうことか、と、思いつつ、さて、それらのカメムシをどうしたかは、

 

記憶にございません。

 

前に言ったように、捕獲した虫を捕獲した場所に返すのは、よっぽど常識外れた組織規模の繁殖をやらない限り問題ないと思うの、うん。

 

その年、うちの地域では「最近カメムシが多いね」、とみんなが言っていた。

いや、まさか。

2017年のミナミアオカメムシ産卵から孵化

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やったああああ。スポンジボブのブランケットが299円で売ってた!!!!

 

 

本来、私は部屋のインテリアとか布団とか出来るだけシンプルというかユニセックスな感じがよくて、キャラクターものとかあんまり置きたくないのだが、スポンジボブだけは見かけたら絶対買わなくてはいけないという自分の中でのルールがあり脊髄反射的にレジに持って行ってしまう(流石に1万円以上する巨大ぬいぐるみとかは考えるけど)。

スポンジボブはもうかなりブームが過ぎ去っているので、グッズがあまり売っていないからこそ成立するこのルール。

黄色いキャラクターグッズが売っているのでスポンジボブかと思って近づくと、大体はそれはミニオンなんだ。そして最近もはやミニオンすらあんまり売ってないんだ。

しかし、このブランケット、一枚しか残ってなかったのでよかった。

これがまだたくさん売っていたら、ふざけて10枚くらい買って、机やテーブルやベッドを全てスポンジボブで埋め尽くした部屋を作ってしまうところであった。

 

まあ、そんなことはいいとして。

 

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これどうしよう。の続きである(奇しくもスポンジボブと同じ色だね。ていうか似てるね)。

 

私は、もうこれは元々いた場所に置いといて後は自然に任せたらどうかと提案した。

 

と、さも悪くないかのように言うが、要はもう面倒になってきたので、庭にでも捨てたらどうですか、と言ったのである。

すると、私の作品、「ミナミアオカメムシさんたち。」を読んで、すっかり自分もカメムシを卵から育ててみたいという気持ちになっていた母親は卵を孵すと言い張り、これ幸いと、私はカメムシの飼育を放棄。

その後は母親に任せてほとんど何もしなかった(最悪)。

 

いや、別に無理に押し付けたわけじゃなく、飽きてきたところに、もっと熱意ある人がいたからそうなっただけである。

 

そもそも、こんな大々的にミナミアオカメムシの名前を冠したものの、これがミナミアオカメムシなのか調べれば調べるほど自信がなくなってくる。

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そんなことを言い出したらこのブログのタイトル自体、変えないといけなくなるかもしれないから、良いとして。

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孵化直前で色づき始めたカメムシの卵

茶色くなってるやつはなんらかの原因で死亡している。虫の本を見ると、「オレンジの三角部分を缶切りのようにして出てくる」とあるのだが、いまいち意味がわかるようでわからない。

缶切りとは?

 

そんなことを考えている間に、生まれてきた。

 

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踊るカメムシの赤子たち。文字通り赤子である。

最初赤いふにゃふにゃしたものが、見る間に黒い縁取りがつき、虫らしくなる。

 

 

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ちなみに実際の大きさはこれくらいである。

 

以前、キュウリの葉っぱについていたカメムシの卵を育てた際には、93個も卵に対して、実際に孵化できたのは23個で、数日のうちにどんどん幼虫が死に、残ったのは6匹だけとなったので、「成る程、虫というのは大量に卵を産んで、自然淘汰されて強い奴だけが大人になるわけか」と、思った。

そして、今回も、どうせ卵の大半はどうせ孵化も出来やしない、と、我々は予想していたんだ。

 

が。

どうしたことか、ほとんど全部産まれてしまった。

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 さすがの私でもちょっとキモいなと思うくらいなので、モザイクをかけている。

モザイクなしを見る勇気がある方は下へスクロール(ポインタを合わせるとモザイクが外れるとかそんな高度なことはできないので)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ううううう。

全部産まれてきたのか…そうか。そうか。いいけど、いや、いいけど別に。

いや、むしろ良かったね。

 

多分、卵が産卵された時から安全な場所にいたので、寄生蜂に寄生されたり、雄のカメムシに食べられるということがなかったからかと思う。

カメムシと言っても別種のカメムシではない。

同種のカメムシである。

オスは、アホなので自分たちの子孫の卵を吸ってしまうのだ。

 

そんなところで、つづく。

2017年ミナミアオカメムシの交尾について

さて、今回、いよいよミナミアオカメムシの交尾と産卵について書こうと思う。

思うんだけど。

やはり写真があんまり残っていなかった。

2016年〜2017年にかけて、行き倒れのボロボロのカメムシを保護し、結局、なんかヨボヨボになって死んでしまったので、もう二度と手を出すまいと誓った。

にも関わらず、2017年の末頃、結局また同じことをしていた。

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だから冬眠させろってば。

 

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その頃には、母親も庭でカメムシを見つけては、殺すのが忍びない心境になっていて、勝手に私のカメムシケースに入れるようになっていた。上の写真を見るとこの時点で、雄5匹、雌5匹である。

 

ちゃんと雄雌を見分けて分けて飼育していたのだ。我々は。

 

が。

 

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ああ!

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ああああああ!!

 

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あらららららら!!

 

そら、我々もプロじゃない。雌雄判別を誤ることくらいあるさ。

ちなみに我々の認識としては、尻のところがなんかデコッとしたのが雌(卵管的な)、デコッとしてないのが雄と、思っていたのだが、やはり中途半端に「デコッとしてるっちゃしてるけど、してないっちゃしてないよねえ」という個体がおり、それでオスとメスが混合して合コンしてこんなことになってしまったのかと。

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ちなみにミナミアオカメムシの1回の交尾時間は50時間以上と言われている。

いくら私でも、もちろん50時間つきっきりで見ていたわけではないが、本当に丸2日くらい繋がっていた。

あろうことか、メスの方(多分)は途中で飽きたのか、繋がったまま無理矢理オス(きっと)を引きずって行き、自分だけ食事をしているところも目撃した。

しかし。

なんでそんなに時間がかかるというのか。

やっぱり自然のバランスというか、生物のバランスというか、一応、繁殖にちょっと枷がついてるものなのかなと思う。

これがミナミアオカメムシが5分で交尾が成立するものであれば、地球はミナミアオカメムシだらけになってしまうから、50時間かかって成功した者だけが懐妊できることで、ちょうどいい塩梅になってるのかも。

 

 

 

が。

 

これ、どうしよう。

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 そもそも、ミナミアオミナミアオ言ってるけど、やっぱりこのカメムシたちがミナミアオかアオクサか、ツヤアオなのかあんまり自信ない。

冒頭のやつなんか模様が違うのは亜種として、なんかずんぐりしてるし、やっぱり絶対ミナミアオじゃない気がしてきた。

 

 

つづく。

【ヨコヅナサシガメ】【ニホンミツバチ】TG-6のマクロ撮影を今更練習した話

前々回くらいのブログで、野鳥の写真を撮るのに新しくなんか欲しいと言っていたのだが、色々調べたところ、キャノンのパワーショットというデジカメが中古で1万6000円くらいで出ており、頑張ればそれなりに撮れそうだったため、もうちょっとでそれを購入するところだったのだが、

直前になって、ふと、今のデジカメTG-6を夏頃買って、それを全然使いこなしていないことを思い出した、というか、気が付いた。

アクセサリーを色々と揃えなければならないところを、とりあえずレンズの保護カバーなどを買って、そのまま放置(いや、使ってはいたのだが)。

説明書を熟読しようとリビングに置いているが、開くと寝てしまうという恐ろしい呪いのかかった説明書であることがわかったため、最近は触りもせずに、もはやホコリを被っている。

この状態で新しいカメラを買ったところで、よく説明書を読みもせず、「なんかよく違いがわからんよねー、2個持ち歩くのめんどいし、どっちかでいいや」と、なって結局どっちも大して使わないことが目に見えているのだ。

 

いかんじゃないか(趣味に使う金が有り余ってるならともかく)。

 

と、いうわけで、とりあえず野鳥は置いといて、とりあえず、少なくとも、今のカメラでマクロ撮影を、満足にできるようになりたい、ということで、パワーショットの代わりにフラッシュディフューザー、FD-1を購入(本当はもうひとつのメジャーなほうのライトガイドが欲しかったのだが売り切れだったので)。

で、早速届いたので装着した。

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なんかよくわかんないけど、これを使えば、マクロ撮影の時、カメラとか自分が影になるのを防ぐことができるやつ、多分ね(言った側からまたよく理解もせずにとりあえず買っている)。

そして大事なことはフラッシュディフューザーというやつは、これ自体が光るわけでなく、カメラのフラッシュを反射、増幅させるものである。

(言うまでもなく、私はまたしてもよく読んでいなかったため、届いて早々、「あっ!光らない!壊れとるやないけ!!」と癇癪を起こしそうになった。

しかし、それ自体は光らないただのレフ板的プラスチックが5,455円ってちょっと高くないか?)

 

それで、まあ、付けたはいいが、なにがどう変わったのかよくわからず、どうやら設定を変えなければならないようだったので、嫌々ながら呪いの説明書を開き、ネットでも調べた結果、買って半年以上にして、どうやらこのカメラ、オリンパスのTg-6は、「ピントをいろんなところに合わせながら何枚もシャッターを切って最上の一枚を撮る機能」と、「フラッシュの光量を調節する機能」、あと「シャッターを切る前数秒の半押し状態の時から記録をして動いているものを撮る機能」的なやつが、あることが、私にもなんとなく、わかった。

 

試しに撮った、このイヤリング。ちなみに、これをなんで買ったかというと、その店の中で一番虫っぽかったので買った。

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マクロでフラッシュの光量を調整して撮ると肉眼では絶対に見えない「SWAROVSKI ZIRCONIA」の文字が。

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これ、噂のスワロフスキージルコニアだったのか。どうりで定価高いと思った(セールで7割引で買った)。

 

ピントを色々な所に合わせつつ、何十枚も写真を撮って、あとは好きに選んでね的な機能。

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これをたくさん試して家に帰ってデータをiPadに移すと、1日で800枚以上の写真を撮っており、いらないやつを1時間くらいかかって全部消したら正味残ったのは30枚くらいだった。

一眼でバシャバシャやってる人は毎回こんなめんどくさい作業をしているのか。

なんとなく、あの人たちは自分が良いカメラを持ってることを自慢したくて無駄にバシャバシャやってるんだと思っていたら、ちゃんと意味があったのか。

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ちょっとだけ暖かくなったもんで、冬眠から起きてしまったであろうヨコヅナサシガメ。(と、左前脚付近にいる蟻)↓

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こいつは本当にどこにでもいるのよ。樹のウロとかに王国を築いている。

↓秋に撮影

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これは外来種のようだけど、昭和初期に日本に上陸したようなので、世代数で言うと、1世代を半年と考えたとしても、まあ、1930年ごろから90年として、180世代交代してるわけで、もはや日本の虫であると思う。

 

その他、フラッシュディフューザーとフォーカス機能を使って撮った花やコケの写真。

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↑この真ん中のプルっとしたやつは虫か??

 

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↑蜂にピントが合ってないけど。多分ニホンミツバチ。多分。

 

と、いうわけで、本当なら16,000円の中古カメラを買おうと思っていたところが、思い直して5,455円のアクセサリーを買って、ついでにカメラの使い方が(少なくともマクロに関して)前よりわかるようになったので、非常に良かったと言える。

ああ、なんか熱が入るか、仕事じゃないと(お金にならないと)集中できない、興味を持てないこの性格。

 

 

を、別に治したいとは思っていない。

 

 

と、いうわけで、カメラの話で長くなってしまったので、ミナミアオカメムシの交尾の話は、多分、次回!!

2016年冬に採集したミナミアオカメムシの最期

さて、やっとミナミアオカメムシ(冬に採集編)の続きに戻る。

2016の年末頃に行き倒れになっていた6匹のカメムシだが、秋頃収穫し冷凍しておいた大豆と、Amazonでお取り寄せした無農薬落花生のおかげで、なんと3月になっても生きていた。

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高い所が好きなので、アクエリアスを染み込ませた脱脂綿を棒に引っ掛けたら、喜んで飲んでいるところ。

これは…もしや、春、暖かくなるまで生き延びたら外に返せるのでは?

そんな淡い期待を抱いていた、あの頃。

 

 

 

 

 

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一方、410円にされて凹むうちの猫。

(唐突だけど、この頃のことを思い出そうとフォトフォルダを漁っていたら出てきたので仕方がない)

 

カメムシの話に戻るが、しかし、淡い期待も虚しく、やはり、さすがに4月ごろになるとカメムシが弱り始めた。

確か、この年、随分後まで寒かったような気がする。

そうしてためらっているうちにどんどんカメムシがヨボヨボになっていき、たちまちのうちにケージは養老院と化した。

この状態で放しても…と思いつつ、しかし、そうはいってもなかなか死なず、こんなことなら、もう少し前に放してやっておけば、例え1日で死んだとしてもカメムシにとっては良かったのでは?と思い始めた5月。

カメムシの脚がもげ始めた。

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元々自然界であれば、せいぜい脚が2本もげた時点で、もう自然淘汰されて天に召されるものなのだが、私のカメムシ達は異常に栄養状態が良くなっている上に天敵がいないため、脚が3本になっても、2本になっても、動けなくなってもまだ生きていた。

それで私は、毎日仕事から帰ると、寝たきりのカメムシに脱脂綿で栄養補給をさせていたのだ。

前にも書いたと思うけれど。

虫にこういうことをするのは、多分だけど、意味がない。

やはり自然のまま死なせてやるか、そもそも行き倒れになっている所を助けるべきではなかったのである。

せめて、少し暖かくなった時点で放しておけば良かったのだ。

例え1日で死んだとしてもそれはそれで良かったのだと感じる。

 

結局、それから少し経って全員死んだのだったと思うが、その頃さすがに可哀想であまり写真を撮らなかったのか、単にバックアップを取り損ねたのか、画像が残っていないので、記憶も曖昧なのだが、

空虚な灰色の目で一日中天井を見続ける脚のないカメムシだけはハッキリと脳裏に焼き付いている。

 

 

なーんだ、それがカメムシ地獄か!と、思うだろうが、この先、さらなるカメムシ地獄が待ち受けていることを、あの頃の僕らは、まだ知らなかったんだ。

 

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「安心しなさい。あの者たちはみんなカメムシ天国へ行きました。」

 

ところで、全然話変わるけど、こういうチョコレートって。

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うまいからってドンドン食べるといきなり気持ち悪くなるよね。

私は学生の時、一人で教室でうまいうまいうまいとひたすら食べてたら、いきなり「うっ」となって、口の中にあるものすら飲み込めないほど気持ち悪くなり、ゴミ箱に吐き出したことがあるのだ。

いや、なんでも食べ過ぎたら気持ち悪くなるのだが、

普通は

 

「おいしい→もうちょっと食べたい→気持ち悪い→げええ」

という風に境界線に少しゆとりがあるものなのである。

いかに、もうちょっと食べたい→気持ち悪くなる前のちょうどいいところで止められるか、という所がポイントなのだ。

冷静と情熱のあいだ。もうちょっと食べたいと気持ち悪いのあいだ。

 

数年前、「ファミチキという恐ろしく美味しい食べ物を、腹一杯食べてみたい」という欲望に駆られ、大人なのでこれを実行した。

本当は5個くらい買おうかと思ったのだが、いや、待てよ…と思い、とりあえず3個買って、まだ食べたかったらもう一回買いに行くことにした。

すると…一つ食べた時点では、もちろん「もうちょっと食べたい」と思ったので、当然のことながら2個目を食べ始めたのだが。

なんと。1個半で既にもうあんまり食べたくなくなっており、3個目を食べる頃には「もうファミチキなんてしばらく見たくもねえ」と思った。

つまり、ファミチキ1個というのは、「もうちょっと食べたいと気持ち悪いのあいだ」という恐ろしく計算され尽くした食べ物だったのである(個人差とか体調とか空腹具合は一体どこへ…)。

 

と、いうふうに、人間は調子に乗ってこの境界を越えがちではあるものの、まあ、一応、その気になれば見極めができるものなのだ。通常は。

 

しかし、こういう高濃度のチョコの場合

 

「うまいうまいうまいう…→げええええええ」

 

という風に、まったくあいだがなく、通常では考えられないほど唐突に全身が拒否反応を示すので、是っ非、気をつけたほうがいいよ、

という非常に有益な情報を、学生の時に一番仲の良かった友達に教えると、その友達も既にまったく同じことになって、この前吐いたと言っていて、お互いに「こいつアホだな」と思った、という話を。

思い出しながら、この前久しぶりにこのチョコを食べていたが、既に理性が邪魔をして昔のようには大量に食べれず、あの頃のような無鉄砲さがなくなった自分を悲しく思い…

いや、良いのだ。今、チョコを食べ過ぎて病院に運ばれました、なんてことになったら、ただでさえ混乱する医療現場に大変な迷惑をかける。

大人になったのだ、我々は。

( ちなみに、美味しくて食べ過ぎるのはカカオ86%までで、

95%になると、もう炭か消しゴムを食べているようだ。あれは薬だ。)

 

 

さて、そんなこんなで、次回!みんなが興味津々、ミナミアオカメムシの交尾について!

(※内容は予告なく変更となる場合があります。まだ写真がGoogleフォトに残っているか確認していないためです。)

最近見かけた鳥たち

ミナミアオカメムシの話を書いてる途中なのだが、最近、野鳥に興味が出てきたので、ちょっと中断してその写真を紹介。

 

先日、近所で道に迷っていた際、スズメの群れを発見。

(なぜ近所で道に迷ったかと言うと、近道をしようとしてGoogleマップを信じて歩いていたら田んぼや住宅街などまったく目印のない、どこからどこまでが私有地なのかわからないような道をグルグル回されたからだ)

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少しずつ近づいて、どれだけ近くで写真を撮れるか、ということになんとなく挑戦していたところ、いつものスズメのチュンチュンという声とは違う、警戒音のような鳴き声が聞こえ、その途端、スズメたちが一目散に飛び立って行ってしまった。

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上から見ていたこいつが「不審者が近づいていますよ!!」とみんなに知らせたわけである。

鳥って、なんでこんなに頭がいいのに「鳥頭」なんて人をバカにするときの揶揄に使われるのだろうか。

 

そして、昨日見かけたカワセミ

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ずっといるのはわかってたんだけど、ようやく写真を撮れた。

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次は池に浮かんでる謎の鳥。

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よく、このようにきちーんと整列しているので、最初遠くから見たときはブイかなんかが浮いてるのかと思った。

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もしかして後ろの白鷺が司令官なのか。

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雪の日も、まじめに整列している。なんなんだろう。近づくと飛んでいってしまうので、断じて作り物ではないのだ。

 

その近くで何かを食べているカラス。

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近づいてみると、逃げてしまったのだが、これだった。

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もちろん、私はこの魚を横取りしたりはしなかったので、私が去ったあと、カラスは戻ってきて魚を食べた事とは思うが、もしかして恨まれていて家まで着いて来られてはいけないので、警戒しながら遠回りして帰った。

 

と、まあ、一連の写真のクオリティを見てわかるように、私は望遠レンズとか一眼レフとかを持っていないので、鳥の撮影をするにあたって、何か揃えたいところではあるのだ。

今使っているオリンパスTG-6の望遠レンズが1万円くらいであるようなので、それを買うのが一番簡単な気がするのだが、レビューを見ていると「いちいちレンズを付け替えないといけないのであまり使ってない」とあって、まあ、面倒くさがりの私は絶対そのようなことになると思うので、ちょっと保留。

クオリティが高くなくても良いので、なんか手軽に撮れるやつないのかなあ、と思って探していたところ、iPhoneスマホに付けられるタイプのレンズが3000円くらいで売られていたのだが、このタイプのやつを使うにはいちいちiPhoneをケースから外して(あのステキなiPhoneケースから外して)装着する必要があり、そんなこといちいちやってたら鳥は逃げてしまうと思うし、かと言って、散歩の間ずっと裸でiPhoneを持ち歩くのも嫌なので(せっかくステキなケースがあるし)これも微妙というところ。

 

しかし、私、泳げないので、川のギリギリの所まで行って撮影して落ちたら死ぬかもしれないので早めに揃えたいところがある。

あと、これは望遠レンズを買ったところでどうにもならないんだけど、

ちょっと最近思うのは、川って妙に、誰かに、見られてるというか、すぐ後ろまで何かが迫ってる気がして、なんか、そんな感じがして、何回も後ろを振り返ってしまう。

水音のせいで周りの音が聞こえないことと、淵ギリギリにいる(押すなよ、絶対押すなよ、状態)という緊張した状況のせいでそのように感じるのだと思うけど…。

と、いうことを今、自分の部屋で書いているにも関わらず、なんか怖くなってきたので、後ろを振り向けないまま、今日のブログはこれでおしまい。

ミナミアオカメムシの口針

ミナミアオカメムシの続きを週中に書こうと思っていながら、ついに遅ればせながら、私もテレワーク(アメリカ英語で言うとどっちかというと「テレウォーク」になるが、しかし、イギリス英語だと「テレワーク」に近いので、いつもどっちだかわからなくなるアレ)要は在宅勤務をすることになり、

その準備や社用携帯、パソコンの講習会などで多忙を極め、昨日は、パソコンと資料を厳重な鍵付きのボックスで持ち帰ったため、もうちょっとで手が千切れる所だったが、ついに今日在宅デビュー。

しかも今日は雪がチラついていた。

神様。こんな寒い日に家にいて良いなんて、私は一体どんな徳を積んだと言うのでしょう。少しも覚えがないのですが。今まで人を殺害したりしたことがないからでしょうか。

そんなことを思いつつ。

今日はミナミアオカメムシの口針に思いを馳せましょう。

カメムシには口針があり、それで稲やダイズ、桃など色々なものをぶっ刺して栄養を摂るようになっている。

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中には肉食系のカメムシで、他の虫の体液を吸ったり、時には人間を吸血したり、疫病を媒介する場合もある(日本にはそこまでのやつはいないはずなのでご安心を)。

ちなみに、農産物に口針を刺して栄養を補給する虫、いわゆる害虫で有名なのはアブラムシである。

実はアブラムシは、「カメムシ目アブラムシ上科」、つまりカメムシの仲間なのである。

 

そういえば、前も少し書いたかもしれないが、葉っぱの上にいるアブラムシを、筆ですくって別の葉っぱに移すという仕事をしたことがある。

 

ひょいひょひょいひょい、とアブラムシを全部移動させたら、数日後、上司から

「君たちの移動させたアブラムシはほとんど死んでいる。アブラムシが口針を使って食事をしてるときに移動させると口針が千切れて、その後食事を摂れなくなって死ぬから、今後は食事を摂っていない時に移動させるように」

という、むちゃくちゃな指令を受け、顕微鏡でアブラムシが食事をしているかしていないかを見極めていたら、酔ってしまい、すっかり気分が悪くなり、

という話は別にいいんだ、私は今日、アブラムシじゃなくてミナミアオカメムシの口針の話をしているんだってば。

 

そう。ミナミアオカメムシの口針。

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↑大豆やアクエリアスを与えているにも関わらず何故か木の棒を吸っている。

 

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↑やっと気付いてアクエリアスを飲んでいる。

 

 

前回の記事に載せた、自然の中を生き抜いて茶色っぽくなったカメムシ

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不思議なことに、暖かい部屋で栄養を与えて1ヶ月ほど経つと、全員が緑色に復活。

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全然ミナミアオカメムシの口針の話ではなかったけど、

なんか、もう、今日、疲れすぎて、一体なんで、カメムシの口針の話を書こうと思ったんだか思い出せない。

おそらく、私が言いたいのは、カメムシの魅力の一つは口針でグングン栄養を飲んでいるところだよねーということである。